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発展する就職 活動 企業への期待

現行法の規制のままでは「よい派遣会社」とは「よい営業担当者を抱える派遣元である」としかいえないわけです。
また、特定の業務に特化した派遣元はほとんどなく、事務処理サービス系の派遣元ならば、そのほとんどが同じようなサービスしか展開していません。
派遣市場を形成する対象業務がわずかだからなのです。
ですから、どの派追几も同じような派遣業務の許可を取得して、同じような手法でリクルーティングをし、同じような料金体系を組んでいるわけです。
これでは差異化をしようにもできません。
違いがあるとしても、各地域で店舗展開をして売上げ規模が大きいか、店舗数が少なくエリアを限定してサービスをしている中小規模か、といった程度です。
確かに、法規制されたポジティブリスト方式の時代は、新生・人材派遣業の適正な運営という労働省的な視点としては一応の成果を上げました。
しかし、個性を重視し、ベンチャースピリットを育みながらニュービジネスの活性化を図るという通産省的な発想の面では、かなり立ち遅れてしまったのです。
筆者は、労働者派遣法でいう人材派遣業にしろ、職業安定法でいう人材紹介業(有料職業紹介業)にしろ、それらを事業化する際に、事業としての適正な運営と労働者保護という観点を重視するあまり、ビジネスとしての観点を軽視してはならないと考えています。
つまり、人材ビジネスとして産業界の一翼を担うものでなければ、業界としての発展はありえませんし、個性ある人材サしビス会社は出てこないのです。
その辺のバランス感覚が難しいのですが、少なくとも少子高齢化時代の二I世紀においては、ますますそうした平衡感覚が求められるのではないでしょうか。
圀疑問の残る「自由化」労働者派遣法の改正を機に、人材派遣業がどれだけ産業界の一翼を担いうるか、そのバランス感覚が問われています。
筆者は、総じていえば、今回の改正が人材ビジネスとしての発展に相当のインパクトを与えるであろうと評価しています。
それは、過去一三年間この業種を特徴づけてきたポジティブリスト方式をネガティブリスト方式にチェンジしたことは、労働者派遣法の根本的な思想を一八〇度変えることを意味するからです。
反面、各論においては、なお不十分の点が見受けられます。
たとえば、改正案の「派遣期間の制限」という事項では、現行法で定める二六の対象業務と新自由化業務との間に、なぜかわざわざ差をつけています(改正案第四○条の二の条文参照)。
現行法で定める二六の対象業務の派遣期間の制限は最長一年間としながらも、更新を含めて三年まで認めています。
しかし、改正以後に自由化される新自由化業務については最長一年間であり、更新はいっさい認めないとうたわれているのです。
原則自由化という基本的な考え方を採用するのに、なぜ、期間制限をわざわざ二本立てにしなければならないのか、わかりにくいと受け止めるのは筆者だけではありません。
さらに、この期間制限の目的は、同一の業務を繰り返し活用してはならないという「利用者(派遣先)制限」である点に特徴があります。
これでは、新自由化業務の活用は一年以内に限定されているために、たとえば期間限定のプロジェクトとか、一過性の仕事でしか自由化の恩恵を受けられないことになってしまいます。
第一、そうした限定的な仕事のために、派遣で働く人たちが従事してくれるのかどうかも疑わしく、それがはたして自由化と呼べるものか大いに疑問です。
『月刊人材ビジネス』誌を発行するオピニオンが、一九九九年三月にスタッフを対象に行ったアンケート調査によると、そのあたりの事情がうかがわれます。
いくつかの設問の中に、「労働者派遣法改正のポイントの一つに、新たに自由化されるすべての業務の派遣期間が『一年以下』で契約更新が不可能というものがあります。
この派遣期間の制限についてあなたはどう思いますか」という項目を入れた結果、「不便である」と答えた人が、全体の三九%、「よくわからない」が四七%となり、「別にかまわない」と答えた人は一四%にとどまりました。
とくに経験者(全体の二I%一6-2)の中では、「不便である」と答えた人が、経験者全体の四六%を占める結果となり、「よくわからない」が同三八%、「別にかまわない」が同一七%となっています(6-3)。
また、実際にアンケートに答えた人の中から、無作為に抽出した何人かからは、次のような声が得られました。
期間制限に対して、「不便」と答えた人の中では、「その自由さが派遣のメワットではないのか」三一歳、女性、派遣゛経験者)、「一年という期間では、自分が納得16しか仕事が十分にできない」(三一歳、女性、派遣経験者)、「どういう根拠で一年になったのかという疑問がある」三四歳、男性、派遣未経験者)という意見が出ました。
一方、「別にかまわない」と答えた人の中では、「ひと通り派遣先の仕事に慣れてくるので、ちょうどいい期間である」(二一歳、男性、派遣経験者)といヽヱ戸もありました。
この制限は自由化に反対する労組の基本的な発想、すなわち「労働者保護」という意見が反映されたものであり、その結果、一般にはわかりにくい改正案となって現れたといえるでしょう。
労働者保護と派遣法労組はもともと派遣法の制定には反対の立場でした。
今回の自由化に対しても、「対象業務の自由化がトラブルの自由化につながっては、改悪となってしまいかねない」「派遣を大幅に認めれば、派遣先の常用社員との代替が進みかねない」と述べ、反対の立場を貫き通しました。
確かに、労組が指摘する側面は否定できません。
派遣スタッフという人間が介在する以上、大切なポイントです。
しかし。
そこには。
労働界的発想”が先行してしまって、自由化に伴う雇用の確保と促進という事業的な側面が抜け落ち、アンバランスな改正案となってしまったのです。
反面、労働省所管の法律である以上、限界があるのはやむを得ないかな、とも思わざるを得ません。
労働者派遣法は「労働」というカテゴリーでできあがった法律ですから、どうしてもビジネスライクには運べない宿命がついて回るのかもしれません。
国会審議過程で、そうした矛盾点が論点となって、自由化の本来の姿により近い形に修正されることに期待する以外はないでしょう。
あるいは、段階的な自由化の実現も期待できるかもしれません。
すなわち、改正案には「三年後の見直しに規定がついています。
三年後、つまり二〇〇二年の情勢と審議関係者の考え方の変化を待つのも一つです。
「労働」という分野はどうしても「労働者の保護」が金科玉条です。
ですから、関係者は自由化を一挙に推進して、労働市場に混乱が発生し、それが社会問題となることを極度に恐れます。
段階的に開放し、混乱の有無を観察しながら全面開放へと向かう手法を取らざるを得ないのです。
いずれにしても、労働者派遣法の基本的な思想はこの改正を機に一八〇度方向転換するわけですから、不十分とはいえ、やはり抜本改正と評価してよいのではないでしょうか。
2派遣事業の変化次に、今後の改正や見直しなどを経て、派遣事業はどのように変化していくかを予想してみます。

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